肥大型心筋症

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ネコにとって身近な肥大型心筋症という病気

ネコにとって身近な肥大型心筋症という病気

肥大型心筋症とは、中高齢のネコちゃんに多く見られる心臓の病気です。
ネコの心筋症にはいくつかのタイプがありますが、この肥大型心筋症が最も多い症例であり、若いネコちゃんでも罹患している可能性はあります。
初期の段階では、特に目立つ症状がないため、気付かない飼い主さんも多くいらっしゃると思います。
肥大型心筋症が進行すると苦しそうにしたり、疲れやすくなったりという不調が多くなります。
ネコちゃんの負担を和らげるためにも、早期発見で症状に合わせた治療を行っていくようにしましょう。

ネコの肥大型心筋症とは?

人間にとって心臓病はそれほど身近なものではないかもしれませんが、ネコちゃんにとって肥大型心筋症はとても一般的な心臓疾患です。
肥大型心筋症は、発症すると突然倒れてしまったり、歩けなくなったり、中には突然死してしまうという悲しいケースもあります。
そんな肥大型心筋症は、早期発見と適切な治療を進めることが重要です。

ネコの肥大型心筋症の原因

前提として、心臓は右心房・右心室・左心房・左心室と言われる4つの部屋に分かれていることが特徴です。
肥大型心筋症は、その中にある左心室の壁の筋肉が厚くなっていくという病気です。
いくつかの原因遺伝子が特定されていますが、遺伝子以外にも様々な要因が絡み合って発症するといわれています。
また、甲状腺機能亢進症や高血圧など、他の病気を抱えているネコちゃんに発症することも多いという傾向もあります。

猫の肥大型心筋症が疑われる症状

ネコちゃんの肥大型心筋症では、以下のような症状が見られることがあります。

呼吸の変化がある

口を開けて苦しそうに呼吸したり、呼吸が早くなったりすることが見られます。

元気がない

活発に動かなくなった、すぐに疲れてしまう、横たわっている時間が増えた、などの変化が現れます。

食欲低下

キャットフードを食べなくなるなど、食欲の変化が見られることがあります。

足が動かなくなる

後足の血管に血栓が詰まると、足が動かなくなることがあります。
初期の心筋症では症状が認められないため、定期的に検診を受けて早期発見することが重要です。

ネコの肥大型心筋症の診断方法
身体検査

聴診器を使って心臓の音を聴きます。
心筋症の猫ちゃんの多くで、心臓の異常が認められます。

血液検査

心臓バイオマーカーであるNT-proBNPや心筋トロポニンを想定します。
画像検査に比べて、採血は短時間でできるので猫ちゃんのストレスを少なくできます。

レントゲン検査

レントゲン検査では、心臓の大きさや肺の状態を確認します。
「バレンタインハート」と呼ばれる特徴的な異常がみられることがあります。

心臓エコー検査

心臓のエコー検査では、心臓の形や血流を確認したり、心室の壁の厚みや心房の大きさを観察したりします。
肥大型心筋症の診断では、特に心室の壁の厚みをに注目します。
壁の厚みが5.5 mmを超えた場合には、肥大型心筋症の疑いありと診断されます。

ネコの肥大型心筋症の治療法

ネコちゃんの肥大型心筋症は、少しずつ進行していく病気です。一方で、進行するスピードはさまざまであるため、定期的な検査で進行スピードをチェックして治療介入のタイミングを見極める必要があります。

投薬治療

心臓の筋肉の動きを調整するお薬や、血管を拡げてスムーズな血流を促す薬、余分な水分を溜めないように排出を促すお薬、血栓を作らないためのお薬、不整脈を改善するお薬など、さまざまなお薬を組み合わせて治療を行っていきます。
ネコちゃんの症状に合わせて適切な投薬治療を行うことで、ネコちゃんの負担を軽減していきましょう。

食事療法

肥大型心筋症の進行を遅らせるという目的で作られた療法食があります。
投薬が難しいネコちゃんにも試すことのできる治療です。

肥大型心筋症に関するご家庭での注意点

肥大型心筋症に関するご家庭での注意点

ネコちゃんの肥大型心筋症は、若い子でも発症することがあります。
また、初期段階では症状がみられないため、気づいたときにはかなり進行しているケースもあります。早期発見のためにはネコちゃんの健康診断を受けることが必要です。
元気なうちから、定期的にクリニックで健康診断を受けていただくことは、将来的なネコちゃんの健康維持につながります。
不安な症状がある場合はもちろん、何もなくても、ぜひクリニックでネコちゃんの体調チェックを受けるようにしましょう。

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